ワーカーズダイジェスト感想※ネタバレ

■ワーカーズダイジェスト/津村 記久子

ワーカーズ・ダイジェスト (集英社文庫)

あらすじ：佐藤という苗字、年齢、誕生日、食の好みが一緒で、毎日の仕事に消耗していく32歳の男女が仕事で偶然出会う。
１度きりの仕事の打ち合わせだったが、その後お互いをたまに思い出したり、雑誌で見かけたりと、うすーくつながっている。
そして２人は各自、仕事・人間関係で悩みを抱えていた。

■うっすら恋愛物語
表紙とタイトルの第一印象から、仕事に生きる女性が社会に疲れて恋愛で癒されて行くストーリーかと思っていました。

仕事や社会に疲れているところはあっていたが、実際は恋愛要素はほぼない。

ここまでないとは思っていなかったので驚きました。
だけど、それがいい。
ドロドロの恋愛ものが溢れる昨今ですが、本書はさらさらと水が流れるような爽やかさがあって、着かず離れずな距離感が心地よかったです。

思いっきりときめきたい時というより、日常の人間関係・感情の起伏に疲れた時に読みたい本、という感じですね。

■もやもやポイント
ただ、いくつかの大きな疑問を残しあまりにあっさり終わってしまったショックで、収録されていた短編は読めませんでした。

ストーリーの中心になっていた２人を悩ました問題の人物関係は、結局謎のまま。
むずむずします。

■登場する料理が美味しそう
物語に「スパカツ」と呼ばれる、スパゲッティーの上にカツが乗ってデミグラスソースがかかった料理がでてきます。
これがなんとも美味しそう…！
アニメでも小説でも漫画でも、物語に食べ物がでてくる描写が大好きな自分にとって、とても魅力的。
ああお腹がすくー家で作れるかな？
(追記：2014.11.1)

その後見つけてしまいました…スパカツを！！！！！

じゃん

じゃじゃん

ミートスパゲッティじゃなくてナポリタンだったけど、知るもんか。
きっとスパカツもこんな感じに、B級感をふんだんに醸し出し、結構ジャンキーな食べ物だろう。

確かこのメニューの名前はポークカツセット。
ポテトサラダにガーリックライスもついていたので、もう本当にボリューミー。
店内も昭和感がありました。

日本の洋食鶴と亀 港北東急百貨店 （【旧店名】鶴亀Gｒｉｌｌ Kｉｔｃｈｅｎ） - センター南/洋食 [食べログ]
なんだか時間をおくと、また食べたくなってくるなぁ。

■総括
恋愛や仕事に疲れた時に読むのがおすすめです。
私は育児中ですが、恋愛と縁遠い生活を送っていたためか、こんなに恋愛要素が少なくても結構ときめきました。
続編(あれば)に期待です。